シャーロック・ホームズ専用 SNS を作りました

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  • 2018年09月02日(日) 07:12

去年あたりから Mastodon(マストドン)という SNS が流行っていることを今さらながら知りました。一応ネットやコンピューター関係の情報にはアンテナを張っているつもりだったんですが、Mastodon について知れば知るほど、あまりにインパクトの大きい現象に気付けていなかったのが自分でも不思議なぐらいです。

なぜ Mastodon がすごいのかというと、それは我々のネットの言論のあり方や情報の自由を大きく変える可能性を秘めているからです。

これまで SNS というのは Twitter や Facebook といった、一企業による中央集権的なサービスばかりでした。なぜ中央集権的なサービスがいけないかというと、一企業によってすべてコントロールされるからです。企業の一存で仕様が変わって使い勝手が悪くなったり、我々の情報もどう使われているか分かりません。理不尽なアカウント削除もあるかもしれません。

もちろん中央集権ではない、コミュニティーに根ざしたコミュニティーを作ることもできましたが、それはそれで閉じた世界になってしまい、せっかくの広大なネットの海を渡り歩くことができません。結局 Twitter や Facebook を使うしかないというジレンマがあったのです。

そんななか登場したのが Mastodon を始めとする分散型 SNS です。Twitter のようなサービスを自由に立ち上げることができ(その立ち上げた各々のサービスを「インスタンス」と言います)、インスタンス同士も横断して情報がやりとりできるようになっています。

一企業のサービスに乗っかるわけでもなく、小さなコミュニティーで閉じるわけでもなく、その一つ上位レベルのサービスができあがったわけです。

Mastodon のインパクトの大きさについては以下のページが分かりやすかったです。

Mastodon が普及しつつあるけど、元 GNU Social 勢として思うこともありまして – 何とは言わない天然水飲みたさ
https://blog.cardina1.red/2017/12/15/comparison-of-mastodon-and-gnusocial/

そこで私も自分のインスタンスを立ち上げてみたいと思うようになりました。もちろんシャーロック・ホームズ専門のインスタンスです。ざっと探したところ、日本だけでなく海外でもホームズ専門インスタンスは見当たらなかったので、新設の意義は大いにあるはずです。

しかし、Mastodon サービスを自分でゼロから立ち上げるのには Linux サーバーの知識がある程度必要になります。私もネットの情報を頼りに、VPS をレンタルして自分で構築してみようとしたものの、どうやっても不具合のようなものが出てしまいます。自分一人で使うわけでなく、他の人にも使ってもらうので、できるかぎりちゃんとした状態を作りたいのですが・・・。

Mastodon 以外にも分散型 SNS にはいくつかあります。Hubzilla、Pleroma、GNU social といったものもいろいろ試してみましたが、これもうまくいかず。何日も掛けて試行錯誤を繰り返し相当苦労しました。

もう諦めようかなと思っていたときに、その分散型 SNS の一つである GNU social(グヌー・ソーシャル)を簡単にインストールできるレンタルサーバーがあることを知り、それを試したところ、とりあえず動かすことができるようになりました。

作成したページは以下です。

Sherlock Holmes Social
https://www.sh-topia.ml/
(2018-11-17追記: 新サイトへ移行しました → https://attic.sh-topia.com/)

2024/05/03 追記
現在はこちらで運営しています。→ https://sherlockholmes.social/

本サイト同様、海外の人の利用も念頭に入れています。自動でインターフェースの言語が日本語になっていると思いますが、もし英語のままなら上の Language から「日本語」を選べば日本語になります。Twitter 風のテーマにしているので見やすいはずです。

そして GNU social は Mastodon 等の他の分散型 SNS との互換性があるため、他の Mastodon でアカウントを持っている人も「リモートフォロー」することができます。もちろん、私のサイトでアカウントを作成することもでき、Mastodon のユーザーをリモートフォローすることもできます。普通に使うぶんには、Twitter と変わりません。ハッシュタグやメッセージ機能などもあります。

GNU social は古くからあるサービスなので、あまり使い勝手はよくないかもしれません。インターフェースは Twitter 風にしていますが、プロフィールの編集といった作業ではクラッシック・インターフェース(旧来のインターフェース)に戻す必要があります。しかも、そこでは日本語表示にできない気がします。そこのあたりが課題です。ひょっとしたら設定をいじると日本語にできるのかもしれませんが・・・。

と、苦労して立ち上げたシャーロック・ホームズ専用の SNS ですが、あまり具体的な使い道は考えていませんでした。今まで通り Twitter、Facebook、Google+ を使ったホームズ関係の情報発信も続けていく予定なので、もう一つチャンネルが増えただけかもしれません。今後また面白い活用のアイデアが浮かぶかもしれません。

分散型 SNS はネットでの自由を獲得するためには自分でインスタンスを立ち上げなくてはいけない・・・というわけではありません。そういう技術がある人は限られています。それでも、自分で好きなインスタンスを選んで登録し、分散型 SNS を使うユーザーが増えていくことで、中央集権体制に立ち向かえるのではないでしょうか。

Mastodon は日本ではそれなりにブームになっているようですが、私はネーミングのせいではないかなと思っています。「マストドン」ってなんだかどんぶりみたい。日本語っぽくて受け入れやすい。それに対して GNU social(グヌー・ソーシャル)は流行らなさそうですね・・・。Google+ も「ぐぐたす」という日本語っぽい名称にしたから、一時期話題になったと私はにらんでいますが、どうでしょう。

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