[読書メモ]『シャーロック・ホームズからの言葉』
- 書籍
- 2018年11月29日(木) 06:59
p8
「ぼくほどよく勉強し、才能に恵まれていた者は、過去にも現在にもいない」
p11
実はホームズ、どんなにつまらない失敗をしても評価が下がらないことを自覚していたからなのか、少なくともワトソンに対しては自らの失敗を隠そうとはしなかった。
p17
不本意な評価しか得られなかったときでも、自信をなくしたり、他人を恨んだりはせず、最後は「気にしなくてもいいさ」ですませるのが、ホームズの流儀だった。
p30
ホームズにとって「解決したも同然」は、まだ解決していないことを意味していた。
pp42-43
波瀾万丈の人生が面白そうに見えたり、羨ましく思えたりするのは、自分が当事者ではないからだ。一般人にとって、ホームズの日常はスリルに満ちていて楽しそうだが、そもそもスリルとは身の安全を保証されている状況においてこそ、楽しめるものではないだろうか。
p60
なにが賢明なのかを悟るのに時間がかかってしまったが、なにも悟らないよりはましだ。
p74
[『ぶな屋敷』は]金銭に困った人を利用するために、高額の報酬を提示するという設定は、『赤毛連盟』や『技師の親指』[…]と同様である。
p92
ありあまるほどの時間を活用し、将来における成功を信じて勉強を続けながら、機会を待っていたのである。
p107
『入院患者』は、殺害犯たちが海難事故で消息を絶った船に乗っていたらしいという、やや曖昧な結末で終わっている。[…]正義の剣による復讐を、法ではなく神の裁きに委ねることにしたのかもしれない。
p139
『空き家』が発表された3年後にルイーザが他界したとき、ドイルはしばらく仕事ができない状態になったという。
p140
『空き家』は、ホームズが真相を解明し、犯人逮捕に貢献した上で、警察に手柄を譲るやりとりが精細に描かれた最初の作品である。
p143
名声に普遍性がないことである。[…]特定の世界なり組織なりで、名声を得て地位が上がろうとも、自らをひとかどの人間だと認識して、思い上がってはならないのだ。
p146
時間をかけて原稿を手直しすればきりがない。
p147
完璧なものを目指したら、いつまでたっても作品は完成しない。
pp172-173
とかく人々の関心は、なにかが起きなかったということよりも、なにかが起きたということに偏向しがちである。
p207
調べるのに困難な場所を、わざと捜査員が調べて空回りするように仕向けたあとで、同じ場所に死体を隠すというトリックは、以後のこと、推理小説に多用されている。
p208
悪魔とは、人々が考えだした究極のスケープ・ゴートだった。
pp238-239
「ものごとが終わったあとで知恵者になるのは簡単だ」
p239
自分でなにかをするよりも、他人のしたこと論評する方が簡単なのだ。
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