[読書メモ]『バスカヴィル家の犬(河出書房新社・単行本)』

  • 書籍
  • 2019年07月04日(木) 10:53

p87
とにかく次々と出現する目的不明の小さな謎の連続に、さらに、またひとつ謎が加えられたわけである。

pp87-88
やることなすことが裏目に出るほどやる気はかき立てられるけれどもね。

p135
実は、ぼくたちの友人の準男爵が、美貌の隣人に並々ならぬ関心を寄せ始めたのだ。この人里離れた場所では、時は非常にゆっくりと流れ、彼のような人間にとっては活気をもてあまし気味である。彼女が魅力的で美貌の持ち主となれば不思議な成り行きとは言えないだろう。

p185
わたしも、シャーロック・ホームズと何年も一緒に暮らしてきたのだから、この辺にぬかりはない。

p190
これだけ重要な事実をつかんでいながら、もし、わたしがこれ以上謎を解明できないとすれば、それは、わたしが間抜けか、臆病ということになる。

p201
裁判に私利私欲をもちこまないことがわしの自慢だ。

p252
シャーロック・ホームズの欠点のひとつは__もしそれを欠点と呼べばの話だが__実行に移す最後の最後の瞬間まで、計画の全容を人に明かそうとしないことである。

p285
スペインの地が流れている情熱的な女性なら誰でも、あれほどの屈辱を容赦するはずはない。

p296
疾病先祖返り説
先祖の特質が再び現出すること

p296
礼儀を重んじる会話の場合、英国では医師に対して「博士(Doctor)」と呼びかけるが、実際に医学博士号を持っている医師は少ない。

p296
更に厄介なことに、博士号を持っているかもしれない男性の外科医に対しては “Mr” と呼びかけても正しいのである。

p313
ダートムアから囚人が切り出した花崗岩(かこうがん)が2代目スコットランド・ヤードの建物に使われていることは有名である[。]

p316
英国では貴族の範疇は通常、公爵(duke)、侯爵(marquess)、伯爵(earl)、小爵(viscount)、男爵(baron)までである[。]

p320
ワトソンは困難に直面すると寡黙になるが、同じ場合ホームズはおしゃべりになる。

pp325-326
国王が男性の場合は “Regina” が “Rex” になる。

p344
スコットランド・ヤードのコンピューター・システムが「ホームズ(HOLMES)」〔”Home Office Large Major Enquiry System” の略称〕と名付けられているのを知ったら、ドイルはおおいに満足を覚えたであろうことは確実である。

pp376-377
記号論の述語「シーニュ(記号)」を交通記号の「赤ランプ」と考えるとわかりやすい。「シニフィアン」は単なる「赤い色」、「シニフィエ」は「止まれという意味」にあたる。

【誤植】
p377
誤:述語
正:術語

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