『シャーロック・ホームズで読書会を開こう』の改訂版を販売開始しました【出版経緯編】
- 書籍
- 2020年05月16日(土) 15:20
私は 2017 〜 2018 年に、シャーロック・ホームズ全集の読書会をしたり、ドラマの『SHERLOCK /シャーロック』の鑑賞会をしたりしました。
そのときは「名古屋シャーロック・ホームズ研究会」と名付けていましたが、読書会・鑑賞会のレビューや配布資料をまとめた書籍として、『シャーロック・ホームズで読書会を開こう』を 2018 年に出版していました。
これはいわゆる「セルフ・パブリッシング」という、出版社を通さず自分で本を制作・販売する仕組みを利用したものです。私はライターとして Kindle でのセルフ・パブリッシングは今までやってきましたが、『シャーロック・ホームズで読書会を開こう』は大きめの一覧表を書籍に掲載したい。なので、電子書籍ではなく A4 の印刷書籍で出版しようと決めていました。
かつては個人が出版をするなら高額な「自費出版」しか選択肢がありませんでした。近年はやりやすくなったとはいえ、印刷書籍のセルフ・パブリッシングは Kindle のセルフ・パブリッシング以上にハードルが高いです。特に個人での出版は手数料が高い印刷サービスは使えませんし、販売プラットフォームも確保しなくてはいけません。
私はアメリカの Lulu というインディーズ出版サービスを利用して、印刷書籍を出版していました。安価に個人が出版できるので、セルフ・パブリッシングを始めた 10 年前から(大学院生時代です)重宝していました。実は Kindle で出版した電子書籍は、毎回印刷書籍版を Lulu で同時出版していたりもします。
Online Self-Publishing Book & Ebook Company | Lulu
https://www.lulu.com/
『シャーロック・ホームズで読書会を開こう』も 2018 年出版当時は Lulu で販売をしていました。
しかし Lulu はアメリカのサービスです。普通の人は Lulu なんて知りませんから、そういう「得体のしれないサービス」にクレジットカードを使う人はいません。英語ページで注文するというハードルもあります。だから、日本の人に買ってもらうのは非常に難しいです。
日本にも「製本直送」という印刷業者がやっている、印刷・販売の仕組みもあります。そこでも『シャーロック・ホームズで読書会を開こう』を販売してみましたが、やはりたとえ日本のサイトであっても、製本直送なんて普通の人からしたら得体のしれないサービスであることには変わりがありません。
製本直送.com | 1冊から注文OK。安さと高品質のオンデマンド印刷
http://www.seichoku.com/
なお、Lulu や製本直送で販売した『シャーロック・ホームズで読書会を開こう』を、実際に自分で買ってみたレビューは以前書きました。
『シャーロック・ホームズで読書会を開こう』の書籍が届きました【 Lulu 版】 – Sherlock Holmes Topia
https://sh-topia.cf/2018/10/24/holmes-book-lulu/
『シャーロック・ホームズで読書会を開こう』の書籍が届きました【製本直送版】 – Sherlock Holmes Topia
https://sh-topia.cf/2018/10/11/holmes-book-seihonchokuso/
さて、となると本を売るという観点からすれば、Amazon で販売を目指したいものです。Amazon なら誰でも安心して購入するはず。
ただ、Amazon で印刷書籍を販売するには、基本的に販売代行サービスを通さなくてはいけません(Amazon FBA の大口出品者になればできるようですが、自分で印刷を別途手配したりいろいろ面倒です)。それに Amazon の販売代行サービスはどれも手数料が高かったりして、個人ができるようなものがありませんでした。だから、渋々 Lulu や製本直送で我慢していたわけです。
そんななか、NextPublishing というサービスを利用することで、Amazon での販売が比較的簡単にできると知りました。
電子書籍とプリントオンデマンド(POD) | NextPublishing(ネクストパブリッシング)
https://nextpublishing.jp/
NextPublishing は以前から知っていましたが、「またよくある手数料が高いサービスでしょ」と思ってスルーしていました。「本を出せます」というところはたいてい胡散臭いと分かっていたので、これも NextPublishing に手を出せなかった理由の1つです。
しかし、よくよく調べてみると、サービスの利用に関して基本料のようなものがなく、サンプル書籍の注文や、実際に本が売れた際の手数料を除けば、基本的に無料で利用できると分かりました。NextPublishing を利用した本が増えており、出版業界でも注目されているようです。これは利用しない手はありません。
ということで、『シャーロック・ホームズで読書会を開こう』を NextPublishing を通して Amazon で出版することにしました。
少し長くなってきたので、今回は【出版経緯編】として一旦ここで切り、次のエントリーで実際に出版開始するまでの過程を書きます。