[英語]「クーイー」は一般的な言葉
- 英語
- 2021年09月30日(木) 12:44
「ボスコム谷の惨劇」でおなじみの「クーイー」が、ムーミンのアニメでも使われていたと以前書きました。
[英語] ムーミンパパも使う「クーイー」 – Sherlock Holmes Topia
https://sh-topia.cf/2020/11/29/cooee-by-moominpapa/
その投稿は、「クーイーはオーストラリアの古い言葉で、普通のイギリス人には分からないだろう」という前提、思い込みで書いた文章です。
でも、どうやらクーイーはイギリスでは一般的な言葉のようです。
イギリスに「カウントダウン」という名前のクイズ番組があり、私はイギリスに留学していたときに知りました。アルファベットを並び替えてより長い単語を作ったり、ランダムに選ばれた数字でターゲットとなる数字を和差積商で作ったりといったことを競い合う地味な番組ですが、私は一番好きなテレビ番組です。番組はオンラインでも観ることができるので、私は VPN で接続して観ています。
カウントダウンでは辞書学者が言葉の語源を解説するコーナーがあります。2020 年2月 14 日放送回で、「クーイー」が話題になりました。それを引用したうえで、私が訳してみました。
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The words that started to come flooding in, some of them are inevitable and some you will recognise. Dingo, koala, wallaby, etc, wombat, all of these came from indigenous Australian languages and the Aboriginal languages.
オーストラリアから来た言葉は、私たちの日常で普通に使っていたり、耳にしたりするはずです。ディンゴ、コアラ、ワラビー、ウォンバットなど、これらはすべてオーストラリア土着の言語やアボリジニーの言語に由来します。
But one that was a real surprise to me is cooee. Cooee you would think of as being a sort of a kind of British shout for attention, but, no. It actually was a call that the Aboriginals used to make in order to summon each other from sort of vast distances across the bushland. It was a really drawn-out, long call and eventually it was picked up by English settlers. British settlers and then brought back to our shores.
でも、一つ(言語学者の)私が驚いたのは「クーイー」です。クーイーは注意を呼ぶときに使うイギリス英語の一種だと思っている人が多いでしょうが、違います。クーイーはアボリジニーが未開地において離れた場所にいる仲間を呼ぶときに使われていました。非常に長い呼びかけで、イギリスの入植者も耳にすることになりました。その入植者が本国へこの言葉を持ち帰ったのです。
There’s one dictionary of 1864 which describes cooee as an Australian bush call, but now not infrequently heard on the streets of London. So it came over then.
1864 年の辞書に、「クーイーはオーストラリアの未開地で使われる呼びかけではあるが、現在ではロンドンでもしばしば聞く言葉である」と書かれています。その頃から現在まで続く言葉なのです。
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クーイーは現在でも普通にイギリスで使われる言葉ですし、それは 1864 年の時点でもそうだったそうです。まさにホームズの時代でもイギリスで使われていたわけです。言葉を研究する辞書学者の先生も、「あまりに普通の言葉すぎてイギリス英語だと思っていた」と言っているのは興味深いです。
次にイギリスに旅行したら、「生クーイー」を聞いてみたいです。
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