[読書メモ]『シャーロック・ホームズ大百科事典』(ジャック・トレイシー)

  • 書籍
  • 2023年07月06日(木) 12:07

p4
ちょっとした金と冒険心をもった男なら、冒険の場を見つけるのは、たやすいことだった。世界中のどの大陸も、想像しうるかぎりの危険性と金持ちになれる可能性に満ち満ちていたのだ。

p6
かつて、ウィリアム・ジレットやベイジル・ラスボーンによってホームズのイメージが曲解されたこともあったが(ホームズは寡黙な勇者で、ワトスンはコミカルな相棒という固定イメージ。ホームズ物語を一行も読んだことがないと思えるような脚本家や、役者による芝居だ)

p6
シャーロッキアーナ(ホームズ学)

p7
想像上のものとはっきりわかっている事物にはアステリスク(*)をつけて、事実と区別できるようにした。

p7
私たちは、自分の住んでいないイギリスを理想化することができるし、その気になれば、イギリス事情について当のイギリス人よりも客観的な観察者になることもできる。

p7
採用したのが「20 世紀の初めの 10 年間に、その時代生きた人物が書いた本」にするという方法である。

p10
シドニー・パジットは、鹿撃ち帽(あるいは “前後につばのついた帽子” )をかぶるのが好きだった。その彼が、田舎で活動するホームズを絵にするときに、時おり鹿撃ち帽をかぶせたのだ。

p12
19 世紀の文献の多くが、明瞭でわかりやすい文章よりも、きちょうめんで正確なかたい文章のほうがいいという考えで書かれていたため、平易な文章や単語への置き換え作業もかなりこなさなくてはならなかった。

p12
秩序のないエネルギーはむだなものでしかない。

p12
ホームズの時代には、コンピュータや冷凍食品の類のように、シンプルライフを邪魔するものは存在しなかった。

p15
「なんとも奇妙な連中」[訳注:〈ウィステリア荘〉のホームズの言葉。ひいてはシャーロッキアンを指す]

p25
足踏みオルガン Harmonium

p69
英国政府では、官僚である大臣第一卿 First Lord of the Treasury が大蔵省の長となるが、多くの場合首相自身がこれにあたる。実際ダウニング街にある首相官邸は、大蔵省の建物の中にある。

p151
クリスチャン名であるシャーロック

p193
セント・ポール寺院[…]ローマのサンピエトロ大聖堂、ミラノ大聖堂に次ぎ、世界で3番めに大きなキリスト教会である。

p228
ドイルはジョン・H・ワトスン博士の著作代理人(リテラリエイジェント)として知られ、シャーロック・ホームズとワトスンの物語を発表した。

p241
トンガは、ホームズが銃で撃った唯一の人間である。

p240
彼の頭の中ではすべてのデータが分類整理されていて、ときには彼が、まさしく英国政府そのものといってもいいこともあった。

p241
長い休み Long vacation
7月から 10 月までで、この間イギリスの大学は休みに入る。

p260
発煙筒 Smoke rocket
配管工事で、下水管やガス管に漏れがないかどうかを確認するために、管の中で煙を発生させる器具。

p261
ワトスンは、ここにある医院を、かかりつけの患者ごと買った。

p271
ロンドン市民の多くは鋭い音が出る呼び子を携帯し、四輪辻馬車を呼ぶときには1回、二輪辻馬車のときは2回吹くことにしている。

p278
ビール Beer
英国では麦芽酒(モルト・リカ―)全般を言うが、欧州大陸やアメリカでは貯蔵(ラガー)ビールのみを指す。

p268
1865 年にグルーズの絵が 120 万フラン(4000 ポンド)で売られたとホームズは言った。この部分は省略されている版もある。

pp291-292
ホームズとワトスンは、フリート街からストランドにかけての道を、行ったり来たりしている人たちの、まるで万華鏡を見ているような、さまざまな生き方を眺めながら歩いた。

p294
“体内にブルドッグの子犬をかかえているような” というのは、インド英語の俗語で、癇癪持ちの意味。

pp297-298
フロリン Florin
2シリングすなわち 10 分の1ポンドにあたる銀貨。英国の貨幣制度に初めて十進法を導入する試みとして 1849 年にフロリン銀貨が鋳造(ちゅうぞう)されたが、短命に終わった。

p315
ボヘミアン Bohemian
世の中の週間や人の目を全く気にせず、型にはまらない自由な生き方をする人。

p317
“ぼくは6フィート(約 180 センチ)ある” と言ったが、ワトスンは[ホームズについて] “身長は6フィートを超えているが、非常に痩せているので、実際以上に背が高く見える”。

p318
ホームズは “ネコのようにきれい好き”

p319
複雑で異常なものすべてに愛着を示した。

p319
“探偵術をほめられると、女の子が美しいといわれたときのように敏感に反応する” のである。

p320
独立して行動する自由を確保していた。

p320
“通俗的な評判を軽蔑して、そこから顔をそむける、非常に誇り高く、控えめな性格の人間でも、友人の自然な驚きや賞賛によって深く心を動かされることがあるのだ”。

p321
“強度の精神集中というのは過ぎてしまった記憶を消し去る” とホームズは自分の精神の特性について述べ、決してふたつ以上の事件を同時に扱おうとしなかった。

p322
“[…]最も安全な計画者はひとりで計画する者だ、という格言を、彼は極端に実行しているように進める”。

pp322-323
“彼は習慣の人であり、つまり限られた、偏った習慣の中で暮らす人だった” とワトスンは書いている。

p324
“わたしは誰よりも彼に近い人間だが、それでもふたりの間の溝のことはいつも意識していた” とワトスンは書いている。

p328
ホウルダネス公爵からは、賄賂ともいえる1万 2000 ポンドを受け取ったが、ワトスンの話では、ホウルダネス公爵の場合を除いて、ホームズが大きな報酬を要求することはなかったそうだ。

p329
“全体の印象にとらわれないで、細部に注目するのだ”

pp329-330
ホームズは、問題についてひたすら考えをめぐらせ、最後に真相を突き止めるか、あるいは、解決するための情報が足りないということを結論するまで、けっしてあきらめないのだ、とワトスンは言った。

p330
“ふつうは、事件が奇妙であればあるほど、かえって本質は、わかりやすくなるものなのだよ”

p331
“探偵にとってはあらゆる知識が役に立つ”

p331
彼は新聞のバック・ナンバーを保存していた。

p333
第二の汚点事件は、へまをやっても、真相をつかんだ6件の事件のうちの1件である。よくわからないが、これが「マスグレーヴ家の儀式」であるとされている版もある。

p339
「ボール箱」の有名な “読心術” の部分は、多くの版で『思い出』の「入院患者」に移され、アメリカのオムニバス版では両方の話に入ることになった。

p356
『アメリカ百科事典』によれば、クー・クラックス・クランは、狙った人物に警告を送るとき、メロンの種を使うこともあった。

p360
教授も大佐もジェイムズという名前であることから、”ジェイムズ・モリアーティ” は複合姓ではないかと考えられる。

p366
バールストン館はもとは要塞として建てられた。

p406
ワトスンの性格のほぼすべては、彼自身の記述というベールを通して伝えられ、その特徴として、シャーロック・ホームズへの賛美を包み隠そうとしない、ということが挙げられる。

p408
ホームズが相棒としてワトスンを気に入っていたのは、”完全に信頼” できる人間が側にいると、良い影響を与られるからであるようだ。

p415
「1880-1910年における事実を当時の人間が書いたらこうなる」 という前提のもとに、人口や社会状況や自然科学に関する知識など、当時のままに書かれているわけだが、 他方、全集は現代の読者向けに訳されている。

p416
固有名詞の統一は、刊行順で後出のものに合わせている場合が多い。つまり、長期にわたる訳の場合、うしろのほうが、より訳者の最終選択に近いと考えたからだ。

p421
のちに彼は、自分がこの年にシャーロッキアンになったのだと回想している。

【誤植】
p205
誤:Turner John
正:Turner, John

p232
誤:wiper
正:viper

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