「踊る人形」で自分の答えを見つけよう
- 踊る人形
- 2024年07月26日(金) 10:48
今月から本サイトは旧ドメインがアクセスできなくなり、新ドメイン(つまり現在アクセス中の URL)に一本化しました。
シャーロック・ホームズ・トピア
https://sh-topia.cf/
旧サイトで最もアクセス数が多かったのは「踊る人形」のページでした。僕のオリジナル解読表が載せてあり、人形のフォントを自由に入力して遊ぶこともできます。現在は以下のウィキページに移行しています。
「踊る人形」解読表 - Wiki of Sherlock Holmes Topia
https://wiki.sh-topia.cf/
新ドメインでも Google 検索への掲載申請を出しましたが、まだ申請が通っていないので旧ドメインと比べてずいぶんアクセス数が減りました・・・。
僕の解読表は各出版社から出ているホームズ全集の暗号を見比べて作成しました。出版社ごとに見やすさが異なっていたり、各出版社で元の原書が違うので形が違うことがあります。そもそもどれもグチャっと潰れた印刷で分かりにくいです。それらを総合して分かりやすい暗号表に作り替えました。
ふと思い出しましたが、中学生の頃に好きな女の子と手紙を交換していました。どうやってそういう経緯になったのか思い出せません。その社交スキルを当時の僕に教えてもらいたいです。さて、そのときの手紙は一度他の生徒、よりによっていじめっ子に見られたことがあり、以降暗号で手紙を書くことになりました。50 音表で、文字を挟む両端の文字で表現するものです。つまり「くるま」なら「きけ りれ ほみ」です。本か何かで知った暗号だと思います。
話を戻します。子どもの頃「踊る人形」を読んでまずすることは、自分で暗号表を作ることだと思います。小説で読んだ暗号を自分でも使ってみたくなるはず。そのためには暗号表が必要だ! というわけです。
暗号表のページが一番アクセス数が多いことについて、最近別の見方に気付きました。「踊る人形」を読んだら、誰しも自分で暗号をまとめて暗号表を作りたくなるものだと思っていましたが、でも今は暗号表は作るもののではなく「ググる」ものではないでしょうか。大人だけでなく子どもでも。スマートフォンは受け身の人間を作る恐ろしいデバイスです・・・。子どもが悪いのではなく、親が当たり前のように一日中スマートフォンを触っているからいけないのです。僕は子どもの前ではデジタルデバイスを極力使わないようにしています。
今年は「語学を頑張る」という目標を立てたので、2ヶ月前からウルドゥー語を勉強しています。かなり難易度が高い言語ですし、アラビア文字の改良形を使う言語で、まさに暗号のような言語です。僕は2ヶ月前までどこの国の言葉かも知らなかったぐらいです(パキスタンとインドで主に話されています)。
最初の頃は軽い気持ちで選んだ言語を始めたことを何度も後悔しましたが、まさに「踊る人形」の暗号を解読するシャーロック・ホームズの気分でやれば楽しめると気付きました。そこで分かったのは、暗号は<使うこと>以上に最初にゼロから<解読する作業>が一番楽しいということです。ウルドゥー文字は筆記体で書く言語で、教科書、ネット、先生の手書きでそれぞれ表記に大きなズレがあります。だから文字の判別がいまだに難しいです。文字が読めないとなかなか先に進めません。つまりまだ最初の暗号 “解読” 段階であり、だからこそ分かったときのアハ体験が快感です。
そして日本人からするとマイナー言語であるウルドゥー語は、教材がほとんどありません。パキスタン人の先生もプロの教師ではないので、言っていることが「本当かな」と思うことが多いです。教科書に書いてある表現について先生は、「こんな表現は普通使わない」とよく言います。ネットで調べてもたいてい答えが見つかりません。つまり公式情報がないのです。
僕は翻訳者として、そしてライターとして、発信する情報や成果物では公式表記や公式情報を使うことにこだわってきました。でもウルドゥー語を始めたことで、公式じゃないからといってシャットアウトしてしまうのではなく、「自分なりの答えを見つけること」で十分だと分かりました。あとでそれが間違っていると分かれば、その都度アップデートしていけばいい。それはあらゆる学習において言えることではないでしょうか。
「踊る人形」の暗号だって安易にググって人に教えてもらおうとするんじゃなくて、自分の頭で考えてほしいなと思います。自分が見つけた答えが、公式なものや権威が言ったこと、ましてやどこの誰かも分からないネットの言葉より大事です。何が正しいか分からない時代だからこそ、ますますそう考えます。
「踊る人形」を読んでも暗号表を作ることがすべてではありません。僕は暗号をスマートフォンのカメラで読めば自動解読するアプリを作ろうと思っています。AI と絡めて何かできそうな気もします。ウルドゥー語の勉強でますます先延ばしになっていますが・・・
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